怒りが教えてくれる、レッスン
怒りを覚える出来事が起こるときは、自分の中の何かが刺激されたということ。
入ってきた情報に対して、自分が持っている価値観に照らし合わせてジャッジした結果、引き出されたものが感情。
なので、このフィルターとなる価値観が「強すぎる」と感情も強くなる傾向にあります。
この世界では、善悪、優劣、損得、自由と秩序など、相反する二極の価値観があり、自分がどちらかに振れすぎると、反対側が強調されるような出来事を経験する傾向があるように思います。
たとえば、正義感が強すぎているときは、「正すべき悪」ばかりが目に付く。
秩序の中で生きることを「正」としすぎているときは、自由気ままに生きている人が身勝手に見える。
自分の劣等感が強すぎるときは、優位に立とうとする人ばかりが目の前に現れるなど。
このような極端な傾向が見られる場合、それは「あなたの価値判断をもうちょっと緩めてみたら」的なメッセージかもしれません。
徳の観点から見ると、他者への寛容さや、自分への優しさを学ぶレッスンであることも。
怒りはネガティブな感情として敬遠されがちですが、とても大切なことを教えてくれます。
自分を律することより、大切なこと
それでも、感情を露わにするのはみっともないから、何事もなかったかのように振る舞う。
自分を律することが美徳だという価値観の中で育ってきた人は、自分の感情を抑えて生きる傾向にあります。
争いごとを好まず、平和を重んじて、不和を必要以上に避けたり、相手が「悪い」場合でも相手の気持ちをわかってあげようとして不平不満は伝えない一方、自分は我慢しがちだったり。
「怒ったりしてはいけない」
「自分さえ、我慢すればいい」
しかし、自分を律することも、我慢することも、美徳ではないのです。
自分の心が感じたことに、蓋をしてしまっている。
「怒りはネガティブな感情だから、どこかへ追いやっていい」というものではありません。
知らず知らずのうちに溜め込んだ怒りの矛先は、やがて自分に向かいます。
炎症や膿、痛みを伴う症状など、病気の原因にもなりやすいので、溜まった怒りの感情を外へと出す機会を作ってあげることが大切なのです。
大切なのは、自分の心と、ちゃんとつながること。
本当の気持ちや感情を抑え込むのが癖になると、いわゆるネガティブな感情だけではなくて、ポジティブな感情すら味わいにくくなっていきます。
日頃から、心が感じるままにゆだねていれば、何かをきっかけに突発的に感情が爆発することもなくなります。
ちなみに、なぜかわからないけれどふと怒りを覚えることが多い人は、誰かの怒りを知らず知らずのうちにキャッチするエンパスである可能性もあります。
でも実はそれも、自分の中にある怒りのエナジーが、相手の怒りのエナジーを磁石のように引きつけているから。
自分の感情のデトックスをしておけば、不要なエナジーをキャッチすることも少なくなっていきます♪
麻痺した心を、動かしていく
怒りの感情は、きちんと味わって消化させるのが健全ですが、そうとわかっていながら、つい抑えてしまうことも。
優しく温厚な人は特に、怒りを完全に抑制していて無自覚なことが多く、「内側に怒りが溜まっている」とお伝えしても、ご本人には「まさか、ありえない」と驚かれることがほとんどです。
それくらい、心が麻痺している。
怒りという感情を感じることを、自分に許してみましょう。
そして、怒りを覚えるような出来事があったとき、そのときの何が自分にとって刺激になったのかを見つめてみてください。
- 自分は相手にどうして欲しかったのか
- 自分は何を守ろうとしているのか
- 以前も似たような体験はなかったか
必要以上に相手に期待してしまっているのなら、その原因を探ってみる。
過度に自分を守ろうとして反応したのなら、そこまで自分を守ろうとする必要があるのか見直してみる。
これまで同じパターンを繰り返してきているのなら、そのパターンを壊すためには何を手放せばいいのか、など。
このように、自分の本心や欲求に光を当てるきっかけとすることができ、いまの自分に貴重な洞察を得ることができます。場合によっては、過去の自分を癒すことにもつながります。
怒りを癒しに変える、錬金術
怒りには、様々な種類があります。
悔しさ、苛立ち、憤り。プライドを傷つけられたような、不当に扱われたような屈辱感、境界を越えて侵害されたような感覚。
理不尽に思える出来事があったとき、すぐその場で怒りを表現できずに、一旦は状況を受け容れ、ものわかりのいいフリをするなどしておいて、後からあのときああすればよかったと、怒りがふつふつ湧いてくる。
相手の「無礼さ」や「失礼さ」に敏感になるとき。
そのようなときには、そのままにせずにホメオパシーのレメディスタフィサグリア を摂ってみましょう。
200cのポーテンシーを1日1粒、3日間。
怒りを表現する勇気をくれたり、溜まっている怒りを外へと出すよう、デトックスを促してくれます。
以前、父が腰が痛いとこぼしたときがあり、リーディングしてみたところ、怒りが溜まっていることがわかりました。
人に対して受け身になりすぎて、自分の思っていることを正直に言わなくなった時期だったかもしれません。
こんなとき、ヒーリングよりも有効な方法は、怒りを表現させること。
そこで、このスタフィサグリアのレメディを1粒、摂ってもらいました。
注意点として、母には「突然怒り出すことがあるかもしれないけれど、デトックスなので気にしないで」と伝えておきました。
夫婦喧嘩になる可能性もあったかもしれないですねw
この日はちょうど、敷地の外で作業していた業者さんがいて、汚れた水を誤って家にかけたらしく、それを見かけた父が出て行って、その業者さんに怒ったそうです。
その業者さんにしたら笑い事ではないのですが、起こるべきして起こったというかw
ありがたいですね。これで、父の腰痛は治りました。
怒りが、このときの父には癒しになったのです。
こんなふうに、あえて怒りを感じさせるような、怒りという感情を思い出させるような不愉快な出来事がこのレメディの作用として起こるかもしれません。
でも、怖れるなかれ、デトックスが目的の事象であれば大したことにはなりません。
心と身体の健康のために、怒りの感情のデトックスとして摂ってみてください。
怒りの感情を抑え込んでいる人は、スタフィサグリアが、怒りの奧には悲しみがあるので、悲しみの感情を抑え込んでいる人は、ナチュラム・ミュリアティカムが有効です。
こちらの記事もご参考にされてください。
怒りと痛みと肝臓と
たとえば身体のどこかを傷めていて、時折痛みが増すようなときは、痛みに耐え続けることによる怒りが溜まっているからかもしれません。
回復が長引いたりするとき「どうして自分ばかりこんな目に」と思ってしまいがち。
我慢するだけではなく、たまには怒ってみてもいいのです。
そうしたら、以前よりも前向きに自分の身体と向き合っていけるから。
怒りは、肝臓に溜まるといいます。
肝臓の働きが悪くなると、解毒機能が落ち、血が鬱滞します。
更年期前や生理前などは、肝臓を浄化しておくことで更年期障害やPMS(月経前症候群)に悩まされることがなくなるという説があります。
肝臓をケアするひまし油湿布などはオススメです。
該当する時期は、お水をよく飲むようにして、感情や老廃物というエナジーの流れを良くするというのも有効です。
肝臓と胆嚢の機能をサポートするホメオパシーレメディサポートK-Tもあります。
デトックスに、毎朝1粒、お摂りください。
怒っている自分も、あり。感情的になっている自分も、あり。
どんな自分も、否定せずに受け容れる。
言いたいことは、言う。
内側にある怒りの感情を自分のものと認め、自分の本心と寄り添うことで、怒りというエナジーから、内も外も、自分をすっと解放していくことができるかもしれません♪